骨粗鬆症は、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気です。高齢化社会となり、できるだけ健康で長生きするためにも、骨粗鬆用治療は非常に大切です。
2000年米国の国立衛生研究所(NIH)で開催されたコンセンサス会議では「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大した骨格疾患」と定義されました。この中で骨強度とは骨密度と骨質の2つの要因により規定されます。骨密度とはほねの量を表し、骨質はほねの構造が良いものかどうかをいいます。ほねの量・骨密度を計測して治療開始を検討したり、治療効果の判定を行います。当院ではガイドラインで推奨されています腰椎と大腿骨の2か所で計測する骨密度測定装置を導入しています。
ほねの構造・骨質を評価する方法はCTなどありますがまだ一般的ではありません。実際は骨密度の測定で骨粗鬆症かどうかを判断します。
また、骨は骨形成(新たに作ること)と骨吸収(溶かして壊されること)のバランスから、一定の量、構造が成り立っていますがこのバランスが崩れることが骨粗鬆症の大きな原因です。
治療開始にあたっては、骨折の有無や年齢、アルコール摂取や喫煙も考慮して、血液や尿検査による骨代謝マーカー(骨形成と骨吸収のバランスがわかる)を計測して治療開始とします。
腰痛で来院される患者さんは非常に多いです。若年者であれば側弯症や腰椎分離症、急激に発症するものは急性腰痛症、加齢による変化として変形性腰椎症や腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、外傷によるものとして腰椎圧迫骨折、感染やがんの骨転移などさまざまです。
典型例ではありませんが、内臓疾患や血管の病気などから腰痛をきたすこともあります。
診察やレントゲン検査、場合によっては血液検査やMRI検査など行い、診断をし、治療方針をたて、内服や物理療法、装具などコルセット治療や注射治療などを行います。手術やさらなる精査が必要であれば、総合病院をご紹介したりすることもあります。
膝の痛みで受診される方も非常に多いです。
運動などによる捻挫や、靭帯損傷、関節内にある半月板損傷や、成長期にあるオスグッド病、加齢による変形性関節症などあります。
レントゲン検査やMRI検査など行い、物理療法や投薬治療、変形性関節症であればヒアルロン酸の注射治療などで痛みを取り除きます。
必要であれば手術治療のため総合病院をご紹介したりすることもあります。
肩こりとは首筋やくびのつけね、肩または背中にかけて張ったような、こったような痛みを感じるもので、頭痛や吐き気を伴うことがあります。
首の後ろから肩、背中にかけて広い範囲にある僧帽筋という筋肉が関連することが多いです。
くびからの神経症状や肩関節由来の痛みが原因でないかどうかなど、診察やレントゲン検査を行って、ストレッチの指導や投薬、物理療法や注射治療など行います。
骨が壊れた状態、連続性が絶たれた状態が骨折で、いわゆるヒビや剥離、陥没も骨折です。ずれが大きければ、できるだけ元の位置、かたちにもどし(整復)、骨がつきやすい環境にしてあげることが大事です。
そのため、レントゲン検査をして診断を確定し、シーネやギプスでの固定でよいか、手術治療が必要なのかを判断します。
坐骨神経痛は坐骨神経にそって出現する痛みのことで、疾患名ではなく病態のことです。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが原因のことが多いです。
レントゲン検査など行い、痛みをとるために投薬や物理療法、注射治療などを行います。
スポーツによる障害は外傷と障害があります。
けがによるものとして、打撲や捻挫、靭帯損傷や脱臼、骨折などがあり保存的治療でよいか、手術治療が必要かなど判断し、手術が必要であれば総合病院を紹介します。
保存治療であれば、投薬やシーネ固定、ギプス固定、装具治療や物理療法など行います。
障害としては使い過ぎによる炎症や、成長期であれば膝のオスグッド病やかかとのシーバー病、疲労骨折などがあります。